ホッと一息 しませんか

▼ 第58話 「初めてのサイン」   

先日、高齢者の皆さんが集まる会に招かれて、腹話術、手遊び、足芸などを披露しました。
お開きとなり、皆さんと一緒にお茶を頂いていたところ、87歳の女性から声を掛けられました。「サインいただけますか?」 サイン? 私? 70歳のこの年になるまで、そんなこと言われたこともないし、ましてや差し上げたこともありません。
芸能人のようなカッコいい素敵な崩し字で自分の名前を書けるわけもなく、差し出された手帳に緊張しながら、丁寧に氏名を書き、その日に披露した芸も書き添えました。
これからサインの練習をしなくては?? いやいや 。
私は、芸能人ではありません。こうやって訪問させて頂きながら、たくさんの方とふれあい、皆さんの笑顔を頂くことに、喜びを感じています。今度また、どなたかにサインを求められても、カッコいいサインをさらさらと書くよりは、70年書き続けてきた自分の氏名を普通に書くことが自分らしいのかなと。そんなことを感じた初めてのサインでした。

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