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▼ 第90話 「50年前の消防あれこれ」 その4   

50年前の消防出張所。私が勤務していた出張所の近くには養鰻池がたくさんあり、養鰻業をしておられる方が、時々ウナギの差し入れをしてくださいました。
生きたままのうなぎを、一人一本。
出張所での夕食は隊員が作るようになっていたので、ウナギの差し入れの日は、なかなかのものでした。生きたままのウナギを、料理用の酒がはいった鍋に入れ、ウナギを酔っ払いの状態にして、動きを鈍らせてから、まな板に載せて、包丁で開きます。
出張所の裏には、ウナギを焼くための「かまど」も作ってありました。
ウナギのたれも、もちろん手作り。みりんと醤油の自家製たれです。
ウナギのたれをつけながら、うちわでパタパタあおぎ、ウナギのにおいを周囲に漂わせながら焼きました。今では考えられない昭和の出張所での思い出です。
時間が、ゆっくり流れていた時代でした。

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