人生 あ・ら・か・る・と 年齢を重ねてきた今、昔から大切にしていた記録、メモ、本、レコード、などから、これまでの人生を振り返るエッセイのコーナー「人生あ・ら・か・る・と」です。 掲載は月1回1日。筆者は4部のKOさんです。どんな話題が出てくるか、お楽しみください。 2025/12/01 第16回 音楽がいつも傍らに2 「シャンソン」前半 日本語に訳せば、フランスの大衆歌謡曲、小唄(岩波国語辞典)、日本で云えば、歌謡曲に当たる「シャンソン」。 戦前から、宝塚歌劇団がレビューで歌う様になり、「すみれの花の咲く頃」がテーマソングになって、今も歌われ続けている。 私が始めて聞いた歌手は、高英男だった。「雪の降る街を」(作詞:内村直也 作曲:中田喜直)が、よくラジオから流れていた。後になって、シャンソン歌手で有ることが判った。 それから、テレビの時代に入り、丸山明宏(現三輪明宏)、石井好子、芦野宏、越路吹雪、中原美佐緒、岸洋子と云った歌手がNHKの歌番組に出演していた。 其の後、加藤登紀子(第1回シャンソンコンクール優勝者)、金子由香利、クミコ、佐々木秀美、等が引継いで現在に至っている。 初めて購入したレコード盤は、「シャンソン・アン・ジャポネ」(1960年発売、27センチLP、定価1700円、エンジェル10曲入り)で3人の女性歌手(イヴェツト・ジロー、リーヌ・ルノー、リュシェンヌ・ドリール)が全て日本語で歌っている。 「バラ色の人生」「詩人の魂」「人の気も知らないで」等、とても流暢な発音で素晴らしい。 冒頭にフランスの大衆歌謡曲と記したが、著名な文化人たち(哲学者のサルトル、芸術家ジャン・コクトー等)が愛し支え、詩や曲を提供した。社会を風刺した詩が多々ある。 シャンソンが人気の有った昭和30~40年は、フランスのシャンソン歌手が来日し、NHKのテレビの歌番組に出演していた。例えば、シャルル・トルネ(「ラ・メール」を作曲)、ジルベール・ベコー(「メケメケ」、「そして今は」を作曲)、イヴット・ジロー、ジュリエット・グレコ、サルヴァトーレ・アダモ(「雪が降る」を作曲、日本語で森進一とデュエット)、シャルル・アズナブール(「ラ・ボエーム」「帰り来ぬ青春」を作曲)、コラ・ヴオケール、ミレーユ・マチュー(エディット・ピアフの再来と云われたが…) イヴ・モンタン(「枯葉」が世界的大ヒット)、エディット・ピアフ(「愛の賛歌」で世界的大ヒット、「水に流して」、「群衆」 他多数)、この超有名な二人の歌手は来日公演をしていないと記憶している。 後半に続く(明日12月2日掲載) 記事一覧を見る