●防災ニュース 「第13回 徒歩での移動」 06/10 2023 皆さんは徒歩でどのくらいの距離を歩いたことがあるでしょうか? 東日本大震災が起きた当日、交通機関がマヒし、帰宅困難者たちが歩いて自宅を目指し、長い列ができていました。あの時、みんなが徒歩で移動できたのは、都内に大きな被害がなかったからです。30年以内に起きるとされる東海、東南海地震では、家の倒壊や道路の陥没などの被害が想定されています。公共交通機関が動かなくなり、道路に被害が出た場合、職場や、出先から自宅を目指して歩くことになります。 災害が起こるのは昼間とは限らないし、ましてや停電となれば暗闇を歩くことになります。 これは、精神的にも、肉体的にも、とても厳しい状況になるでしょう。 自衛隊では野外行進訓練という訓練があり、一日に30kmから40kmの長距離を、重い荷物を背負い、銃を携行して歩きます。この距離を歩くのに8時間から10時間かかります。 私は、航空自衛隊幹部候補生学校時代、野外行進訓練の前日、日中に経路確認をしていたにもかかわらず、この日の訓練が夜間の訓練であったため、真っ暗な田んぼのあぜ道で曲がるところを間違えて進んだ結果、動物除けの電気柵に触れ、全身が硬直した訓練事故になってしまいました。訓練された自衛隊員でさえ、暗闇での移動はこのような事故がおこります。 ましてや、準備のない一般の方が災害発生時、暗い道を、予定する経路の状況がわからないまま進むのは危険と言わざるを得ません。 せめて、移動は明るいうちに限定するのが妥当だと思います。 いざというときのために、職場からどのように自宅に戻るのか、ルート等も含めて考え、シミュレーションしておいてはいかがでしょうか。 防災ニュース全体を表示 お知らせTOPへ戻る