ホッと一息 しませんか

▼ 第108話 「注文を間違える料理店」

愛知県岡崎市にある沖縄そばのお店「ちばる食堂」。
元介護福祉士として20年働いた市川貴章さんが、オーナー。
働いている人は認知症の方。もちろん、4人のスタッフは正規雇用。
お給料もちゃんと最低賃金を守ってお支払しています。
店内のテーブルには大きな番号が付けられており、メニューの最初に、「認知症の人が働いています」と書かれています。初めてのお客さんは対応に戸惑うこともありますが、食べ終わるころにはそんなことは、気にならなくなってしまう。むしろ、スタッフと仲良くなって彼らと会うのを目的に通ってくる常連さんもいるそうです。
一番テーブルへ運ぶはずの注文を別のテーブルへ。「あれ?」「こっちこっち」と呼ぶ声。
注文したものと違うものが来ても、誰も怒らない。逆にそれを楽しむ。
店は温かい笑顔であふれています。認知症になったら何もできない、何もわからない、仕事や社会から遠ざかるしかない。そんな古い考えイメージは全くありません。
みんなで支え合って生きていける社会が少しずつ広がってきています。

※元NHKの番組デレクターの小国士郎さんが認知症介護のプロである和田行男さんと番組「プロフェッショナル」の取材で知り合ったことで、「注文を間違える料理」を思いつかれ、日本だけでなく世界中に広がっています。


全記事アーカイブはこちらから