Shining Life (素敵な人生)
和合町で素敵な人生を送っている方にインタビューし、月1回掲載します。
2025/01/10
人の心に残るデザインを目指して- 3部にお住いの一戸健一さん。皆さんご存じの、和合町のマスコット・キャラクタ―「うまっぴー」の生みの親です。2022年に自治会役員からの依頼を快諾してくださり、作成してくださいました。
一戸さんは、生まれも育ちも浜松。子供の頃から絵が大好きな子どもだったそうです。
小学生の頃、学校から動物園に写生に行ったときも、他の友達はさっさと終わって遊んでいたけれど、自分は動物の前で、夢中で絵を描き続けていたことを覚えていると話してくださいました。そんな風にして描いた絵は、何度も表彰されたとか。
中学に入ったころ、ちょうどイラストレータや、コピーライターが活躍し、広告業界や、グラフィックの世界がとても華やかだった時代、グラフィックデザインに興味を持ったそうです。
浜商に入学後、美術部に入り、そこで同世代の友人と共に、切磋琢磨し合いながら、グラフックデザインの世界に没頭。そして、あるデザインの公募で、高校生ながら一位となり採用されます。
高校卒業後は、印刷会社に就職、寝る間も惜しんで大好きなデザインの仕事をし、2年後、別のデザイン事務所、広告代理店に移り、さらにその後30歳で「イチノエデザイン」事務所を創立し独立。
1980年のジャイアンツ・ペットマーク全国公募に初応募、3位入賞を機に、様々なキャラクターデザイン、シンボルマーク、ロゴマーク等の公募に挑戦、地元をはじめ全国各地の自治体や企業からの依頼が舞い込むようになります。68歳でデザインの仕事を辞めるまで190余のデザインを手掛けてこられたそうです。修善寺の虹の郷のロゴやマスコット・キャラクター、中日ドラゴンズ50周年記念マーク、マインシュロスのマークやロゴなども手掛けられておられ、皆さんご存じの作品も沢山あります。
もっとも印象に残っているのが1982年の北海道博覧会。この時、実際に博覧会に行かれ、ご自分がデザインされたクマのキャラクターが、たくさんのグッズになって販売され、また、そのキャラクターが実際に着ぐるみとなって動いているのを見たときの感動は忘れられない思い出だと話されていました。そして、昨年の秋に浜商時代の仲間と開催した展覧会に、網走出身のご夫婦の方が来られ、北海道博覧会に行ってクマのキャラクターを見ましたと、42年前の思い出を話してくださり、とても懐かしく驚くと共に、ご縁を感じたそうです。
人の思い出の中に自分が作ったキャラクターがずっと生きている、とっても素敵なことだなと思います。
現在は、印刷、広告等のグラフィックデザインの仕事は辞め、趣味の陶芸をされている一戸さん。一戸さんの陶芸作品は、いつもコミカルなキャラクターが登場します。頭の中で考えて、想像してそれを形にする。キャラクターの表情やしぐさを見て、更に作品に添えられた説明文を読んで、笑顔でほっこり。見る人の心に響く作品をつくられています。
仕事でなくやっている今の陶芸作品の作成は、子供の頃、一心不乱に大好きな絵を描いていた時と同じだとおっしゃる一戸さん。和合町文化祭には毎年、新しい作品を出展してくださいます。今度の作品は、どんなのかなと観賞させていただくこちらも、わくわくしてしまいます。
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