Shining Life (素敵な人生)
和合町で素敵な人生を送っている方にインタビューし、月1回掲載します。
2025/07/10
煎茶道と共に- 1部にお住いの伊達和子さん。
お生まれは浜松の助信。3人姉妹と弟さんの4人兄弟。今も一緒に旅行に行くほどの仲良しのご家族です。特に3人姉妹は、いつも連絡を取り合い、2021年6月13日、コロナ禍の時には、NHKのど自慢~お家でパフォーマンスに動画を投稿、見事採用されテレビ出演もされたそうです。
さて、和子さんは、学生時代は、お抹茶、タイプライター、そろばん等、何にでもチャレンジされてこられたそうです。そして、卒業後はオートバイメーカー、ライラックで経理の仕事全般をされます。ご結婚で退職されてから、ご主人と会社を経営されますが、そこでも経理のことはすべて和子さんがされていたそうです。
一番下の子供さんが小学校に入ったころ、お友達に誘われて、また、ご主人のお許しも出て、お煎茶を始めることになります。流派は、煎茶道松月流。
煎茶道は急須を使って茶葉からお茶を入れる茶道で、お茶を入れる所作(お手前)を繰り返しお稽古します。お茶室ではお香が焚かれ、床の間には、季節の掛け軸がかけられ、お花が生けられています。この空気感が、日常とは違う空間を作り出します。
お煎茶で使われる茶碗は小さく、中は白く、お茶の色がよくわかるようになっています。
先生が入れてくださった一煎目のお茶は、今までに味わったことのないような深さと甘さ、渋みと苦みは、絶妙なバランスでとても美味しかったです。そして、その後お菓子を頂き、二煎目のお茶を頂く。二煎目のお茶は一煎目より少し苦みが強い感じがしました。
江戸時代に、黄檗宗(おうばくしゅう)の僧・売茶翁が京の市内でお茶を売り歩き、庶民にお茶文化が広まり、煎茶道が確立していきます。
売茶翁の教養の高さ、生き方や思想は、庶民から文化人にまで多大な影響を与え、売茶翁の開いた「通仙亭」に集うようになります。伊藤若冲もその一人です。
煎茶道では、型や物よりも自由な精神を重んじ煎茶を味わいながら人との対話や、書画を楽しむ、「離族清風」「和敬清風」「和敬清雅」という言葉で表現されるそうです。
煎茶道松月流家元総師範の伊達和翠先生(和子さん)のこれまでの知識や経験等から出てくる言葉の一つ一つがとても貴重なものに感じ、おそらく、お稽古に通われているお弟子さんたちも同じ気持ちなのだろうなと感じました。
伊達先生は、京都の宇治にある黄檗宗大本山の萬福寺で行われるお茶会に宗匠と共に参加されています。
一方で、和子さんは、高台協働センターができたころからお煎茶の会だけでなく、吊るし雛の会も主催されています。クリエートで行われている合唱の会にも月2回参加されており今も現役でご活躍中です。
いい人に巡り合えて、ここまできたとおっしゃいます。そして、感謝の心が一番大切だと。
今は月に何回かのお稽古でお忙しくされる中、今年の4月28日には佐鳴湖畔で野点の会を催されたそうです。たくさんのお弟子さんに囲まれまだまだチャレンジを続けられる伊達和子さん。お着物をお召しになられたお茶会での凛としたお写真を拝見し、プロとしての心構えを感じ、まるで舞台に立つ女優さんの様な素敵な先生だなと改めて感じました。
撮影:4部古橋裕規さん
撮影:4部古橋裕規さん
撮影:4部古橋裕規さん
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