Shining Life (素敵な人生)
和合町で素敵な人生を送っている方にインタビューし、月1回掲載します。
2025/10/10
「書」とは- 5部にお住いの齊藤清子さん。お生まれは東京大田区。お父様が戦死されたことで、2歳の時、浜松の中野町のお母様の実家に、ご家族で引っ越してこられます。
小学校の5年生で、お母様のお知り合いの方に教わる形で書道を始められたそうです。中学の時には、消防の標語を考え、大きな紙に毛筆で書き、学校に提出、その作品が、コンクールで認められ賞状を頂いたことが励みになり、書道を続けることに結びついたとおっしゃいます。
高校に入り、先輩からすすめられ、書道部に入部。そこでも数々のコンクールで入賞。
卒業後は、大工町に有った書道塾の門を叩き、そこで先ずはペン習字を、次に毛筆を学びます。
その後、SBS学苑の書道教室(書家の故伊藤松濤氏が講師をされていた)で本格的に学ぶようになります。本科、専科、研究科と長い年月、先生に師事し、遠州書道連合推薦教授となられ、ご活躍されてきました。
遠州書道連合の展覧会「寶書展」「寶書女流展」また東京の展覧会等にも数々の作品を出されてきました。
現在は、高台協働センタ―にて「つくし会」を率い、ペン習字、毛筆の指導をされています。
筆と墨を使って紙に文字を書くことが書道であり、そこには集中力や、精神の鍛錬が必要となります。自分の気持ちを表す手段としての書は、芸術であり、自己表現の手段でもあると齊藤さんはおっしゃいます。
墨を摺るところからはじまり、家族が起きる前、ひとりの大事な時間に書くことが多いそうです。
その時の気持ちがそのまま字に現われる。精神を研ぎ澄まし、心を空にして、紙に向かう。そこで生み出された書は、自分の心そのものだと。怒りを書にぶつけることもあれば、本当に穏やかな気持ちで筆を持つときもある。本を読んで感動した文書の一節を、心の高ぶりと共に書くこともあるとおっしゃいます。
自分の中身をさらけ出せる手段としての書があることは、心の安定に繋がるという事もあるのかもしれません。
書を鑑賞する中で、心が揺さぶられる作品に出会う事が有ります。
これが、芸術としての書であり、齊藤さんがおっしゃる自己表現という事なのでしょう。
素敵な人生を送られています。
そして、今までも、これからも、自分の心のままの書を生み出されていくのだろうな…
今年も11月の和合町の文化祭に、出展してくださるとの事。
どんな作品に出会えるのか、とてもわくわくします。
東京の展覧会に出品されたという、齊藤さんの宝物ともいえる作品。
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