Shining Life (素敵な人生)
和合町で素敵な人生を送っている方にインタビューし、月1回掲載します。
2025/11/10
「欲しいものは自分で作る!!」- 7部にお住まいの木下進さん。6人兄弟(兄が3人姉が2人)の末っ子として和合町で生まれます。子供の頃から手先が器用で(お父様も御兄弟もみんな器用だった)、小学校2年生のころには自宅の裏にあった竹藪に行って竹を切り、竹ひごを作るところから始め、鳥かごを完成させ、メジロや、ウグイスを捕まえて飼って世話をしていたそうです。
学校を卒業後は、電気設計のお仕事につき、CAD(コンピュータを用いて設計や製図を行うためのシステム)を用い、検査機械の設計に携わって来られました。
一方で、若いころからやりたいことを追及してきたとおっしゃいます。
バイクに夢中になり、カワサキZ2に40年乗り、整備も全てご自分でされ、オーバーホール(エンジンをすべて解体)もされたそうです。また、空に憧れパラグライダーで大空を飛び、海に憧れ潜ることが大好きで、潜水のお仕事をされていた時期もあったと伺いました。
そして、年齢を経て、手先を使った趣味に凝り始めます。
先ずは、布袋竹の杖づくりに夢中になります。漆を塗り、螺鈿の細工を施された杖はまるで美術品か工芸品とも言えるほどです。
次はカスタムナイフの作成。ナイフ作りには金属加工、木工加工、デザインのスキル、注意力など、高度な技術が必要となりますが、これらの技術を習得し素晴らしいナイフを作りあげることは大変だけれど、とてもわくわくする作業。綺麗なデザインの刃を作り、それにつける柄を手作りで作成し、出来上がったカスタムナイフはとても愛着のあるものです。
その次は、帆船模型にチャレンジ。気の遠くなるほど時間をかけて、ひとつひとつの工程をこなし、だんだん帆船の形に作りあげていく。木工の作業が終わったら次は綿密に張り巡らせたロープを一つ一つ船体へと固定。この作業は忍耐力との戦い。最終的に塗装をして完成となりますが、完成時の達成感は何ものにも代えがたいと。出来上がった帆船は大事に育てあげた子供のようです。
そして今、夢中になっているのが木製のボールペン作り。木の素材を選び、切り出し、ボールペンの部品が入る穴をあけ、そこに金属パイプを入れた後、手で削り出しを行い、木目が引き立つように蜜ろうで、磨いていきます。一本一本の木目はすべて違っていて、これぞという自慢の1本が出来上がるのは、何十本作って一本という世界だそうです。
お金をだせば、欲しいものは手に入る時代だけれど、たくさんの工程を経て、自分のスキルを磨き、本当にこれこそはと思えるもの、納得のいくものを自分で創り出す喜びは何ものにも代えがたいおっしゃる木下さん。
いつも何かに挑戦し、それに真剣に取り組めるのは好きだから。好きなことがあることは幸せなこと。目をキラキラさせながら、笑顔でお話してくださいました。新しいことにチャレンジしながら、チャレンジを続けられる姿はとても素敵だと感じます。
来年度の文化祭にはまた違う作品を出して下さる事でしょう。



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